第2話　「力のゲーム」　POWER PLAY!

　メガトロン率いるデストロン軍団はオレゴン州に建設中のハリソン原子力発電所の様子を伺っていた。　斥候に出されたジャガーはカセットテープに変形して潜入、技術者達の言葉を録音してメガトロンに報告する。　メガトロンはジャガーの報告から、この世界では人間が意思の無いマシーンを作り、そのためのエネルギー技術も有しているものと結論付け、その技術を奪うべく発電所を襲う事を命じる。
　攻撃は一方的に進み、労働者達を蹴散らしたデストロン軍団は発電所を分解、いずこかへ持ち去ってしまった・・・。

　一方、傷付いたバンブルの運び込まれたウィトウィッキー家のガレージでは、助けを求めるワーゲンを前に父子ともに困惑していた。　深夜の悪いジョークではないかと疑うスパークプラグは車と向き合う間、息子にその車を拾った事情を説明させる。　バスターはドライブインでの出来事を語り、そのワーゲンが普通の車では無いのだと父に訴えるが、車を見終わったスパークプラグにとっては、それは単なるオイル漏れにしか見えなかった。
　いずれにしてもその車を修理するしか息子を納得させる方法は無いだろうと考えたスパークプラグはその修理に取りかかる。　だが、数時間後、何とか修理を終えたというスパークプラグの口から漏れたのは、「わしはメカニックなんだ、医者じゃない！」との言葉だった。　その車は彼が今まで修理してきた車とはまるで違っていたのだ。
　その時、ワーゲンが突然変形をはじめ、ロボットの姿となる　。彼は二人に感謝の言葉を述べ、スパークプラグの技術を仲間のサイバトロン一の名医、ラチェットにも匹敵すると賞賛するが、スパークプラグにとっては、そのロボットの仲間が更にいるという事の方が衝撃だった。　ロボットはスパークプラグの質問に答える形で、自らの名をバンブル、セイバートロン星からやって来たと明かし、現在自分の燃料が極端に不足している事を話す。　スパークプラグはそれならば、と給油機に手をかけるが、宇宙から来たロボットが無鉛ガソリンをがぶ飲みする筈も無かった。　バンブルは仲間の技術者、ドラッグならそれをトランスフォーマー用の燃料に変換する方法を見つけられるだろうと話すが、スパークプラグはそれなら自分でも出来るだろうと申し出る。　一方バスターはバンブルの話から本物の宇宙船を見てみたいと思い、スパークプラグの申し出をリーダーのコンボイに伝えるため一旦アークへ帰還するというバンブルに乗せて行ってもらう事となる。

　市内を走るバンブルとバスターは、バスターの友人で映画館ではぐれてしまったきりのジェシーとオーに出会う。　バスターの事を心配していた二人は、映画館を襲ったのと同じ戦闘機軍団が、今度はハリソン原子力発電所を襲撃したというニュースを彼に教える。　横で話しを聞いたバンブルは、「原子力」がこの星でおそらく最も強力なエネルギー源だと聞くと危機感を募らせ、スパークプラグが一刻も早く変換の公式を見つけなければならないと訴える。　バンブルは更に、予想以上に燃料の流出が大きかった事から、再びスパークプラグのガレージに戻らなければならないとバスターに告げ、二人はガレージへ引き返して行く。　喋る車を不審に思いつつも見送る友人達。
　だが、その会話の一部始終を誰にも気付かれずに録音している者がいた、デストロンの諜報破壊兵ジャガーである。　彼はオーの持っていたラジカセから抜け出すと、主人に報告すべく夜の闇の中へ消えて行った・・・。

　その頃、アークではコンピューターが、アークのエネルギーが非常に危険なレベルまで落ち込んでいる事を報告していた。　必要ならば奪えばよいとするリジェの意見もあったのだが、プロールはそんな事をすればこの星の生命体の権利を侵す事になる、とそれをたしなめ、コンボイは人間達と同盟を結んで必要なエネルギーを提供してもらう事を決める。　その時、ハウンドのセンサーにサイバトロンの救難信号が入ってきた。スパークプラグのガレージに戻ったバンブルからである。　彼はデストロンがすでに恐るべきエネルギー源を手に入れた事を仲間に伝え、更に、一人の地球人が燃料の変換に協力してくれる事を報告する。　通信を終えるとコンボイは仲間を引き連れ、バンブルの元へ向かうのであった。

　一方、解体したハリソン原子力発電所の部品から基地を作り上げたデストロン軍団では、メガトロンがジャガーの報告によって一人の人間がサイバトロンに協力しようとしている事を知り、サイバトロンの補給阻止とデストロン用の燃料変換のために、その人間、スパークプラグを捕えるよう部下達に命じる。

　サイバトロン戦士達がスパークプラグのガレージに到着した頃には、もう夜は明け始めていた。　だが、コンボイがスパークプラグの協力に感謝を示したその時に、再びF-15戦闘機の編隊が現れ、爆撃を開始する。　そう、デストロン軍団の攻撃である。
　サイバトロンとデストロンの戦いは平和な朝の街を瞬く間に戦場へと変えてしまった。　警察も出動してきたが、無論、無力であり、バスターを心配して近くまでやって来たジェシーとオーも迂闊には近付けない状況であった。
　戦いはサイバトロン有利かと思われたが、その時、背後から近付いてきたメガトロンにバンブルが一撃で倒され、スパークプラグが捕まってしまう。　コンボイがメガトロンを挑発した事で、一旦はスパークプラグはメガトロンの手を逃れるが、今度はスタースクリームの手が待っていた。　スパークプラグをそのコックピットへ捕え、空へと飛び去るスタースクリーム。　そして引き揚げていくデストロン軍団・・・。

　「パパを助けて！」そう訴えるバスターだったが、サイバトロン戦士達に残されたエネルギーはもう僅かだった。　果して、スパークプラグは、そして、サイバトロンと地球の運命は？！