GENERATION 1
プレビュー

WRITTEN BY CHRIS SARRACINI
PENCILS BY PAT LEE
INKS BY ROB ARMSTRONG
BACKGROUNDS BY EDWIN GARCIA
COLORS BY TheRealT!

翻訳・脚色 Dr.シグマ

さて、今日のトランスフォーマーは、北極の雪原を行く二人の男から物語を始めよう…。

男1「ミスター、あー、君の事は何と呼べばいいのかね?」

男2「ラザラス(LAZARUS)、そう呼ばれている。お前もそう呼べば良い」

男1「では、ラザラス、君はスポーツを観るかね?」

男2(以下ラザラス)「何故そんな事を訊く?」

男1 「(寒さに震えながら)昔分かったのは、世の中には二種類の人間がいるって事だ、野球を好む人間とフットボールを好む人間とがな。いいか、フットボールのファンっていうのは、ゲームが単なる人対人ではなくチーム対チームだって事実をえらく気に入ってるのさ。それに天気にも立ち向かわなきゃならない。雨が降ろうと、雪が降ろうと、霰の嵐が吹こうと、クソ忌々しいブリザードが吹き荒れていようとプレイしなきゃならないんだよ!……一つ言っていいか、ラザラス」

ラザラス「何だ?」

男1「私はフットボールは嫌いなんだ。雨が降っていれば外には出たくないし、雹が降っていれば外に出たくない、ましてこんな吹雪のど真ん中になど、絶対にいたくないんだ!」

ラザラス「ほう」

男1「つまりだ、こんな所まで私を連れて来たのには、さぞや立派な理由があるんだろうなという事だ。君達は投資してくれるという相手にいつもこんな大層な扱いをしてくれているのか?これでは君達の計画を見る前に肺炎で死んでしまうぞ!セキュリティが重要なのは分かるが、こんなのは馬鹿げている!」

ラザラス「我慢しろ、もうすぐそこだ」

男1「君達の、その…何だか知らんが、ここでやっているそれに、君は250万ドル投資しろと言ってきている。それはこの私にとってでさえとんでもない大金なんだぞ!」

ラザラス「それだけの金を持っていないと思うのならば、ここには連れて来なかった」

男1「そういう問題じゃない。問題はこんな膝までの雪の中に取引相手を連れて来て、250万ドルも出せなどと言ってくるなという事だ!こんな…こんな…こんなバカな話があってたまるか!」

ラザラス「……」

男1「おい、人の話を聞いているのか?!」

ラザラス「それで終わりか?!」

男1「お、おい!」

(ラザラス、男の手を掴んで雪の上に引き倒す)

男1「や、やめてく…」

ラザラス「それで終わりか?」

男1「わ、分かった…分かったよ…」

ラザラス「良いだろう、お前の愚痴を聞くのにもうんざりしてきた所だ。今度は私が話し、質問する番だ」

ラザラス「では訊こう、ミスター・ラッツェンバーグ(RATZENBERG)。第2のチャンスというものを信じるか?」

男1(以下ラッツェンバーグ)「な、何だって?」

ラザラス「私は信じる。人生にチャンスは一度きりなどというのは全くの間違いだ。次のチャンスはいつでも見つける事が出来る、何処を探せばいいのか知っていればな。さあ、手に掴まれ。我々がここで行っている計画も全て第2のチャンスに関するものなのだからな」

ラッツェンバーグ「わ、私はまだ良く分からないのだが…」

ラザラス「すぐに分かるさ、歩くんだ。ここからそう離れてはいない」

ラザラス「これからある物語を聞かせよう、ミスター・ラッツェンバーグ、それではっきりするだろう。言っておくが、この話はまったく驚くべきもので、実際、信じ難いものだろう。持てる限りの想像力を駆使してもらわねばならない。いいな?」

ラッツェンバーグ「わ、分かった」

〜遥か昔、強大な戦士の一族があった……剣闘士の一族と呼んでも良いかも知れない……。彼等は天より落ち、この地上に墜落したのだ〜

〜剣闘士達は、それまで人間の知っていたどんのものよりも、巨大で、強かった。彼等は我々を押し潰してしまうような物でも持ち上げる事が出来た。動けば我々の最も速いレースカーよりも速かった。中には……中には、飛ぶ事さえ出来る者もいた〜

技術者「分からない。センサーによれば目標は地表より25フィート下と出ている。8時間も掘り続けているのだから、そろそろぶつかってもいい頃だ」

〜だがいいか、体力、スピード、飛行、そんなものは彼等の本当の力じゃない。剣闘士達はもう一つの驚くべき能力を持っていた、それによって、他の何よりも優れた存在となったのだ。彼等は姿を変える事が出来た……〜

作業員「おい、大当たりだぜ……」

〜……トランスフォーム出来たのだ〜

作業員「やったぞ!レーザーを切れ!見つけたんだ!」

通信「お話中失礼します。ですが、接触に成功しました」

ラザラス「分かった。もうそこまで来ている」

ラザラス「さあ、これがどんなに素晴らしい事なのか考えてもみるがいい、そんな天からの剣闘士達に意思を伝える事が出来たら、彼等と話し合い、交流し合い、いっそ盟友となる事が出来たなら。上層部にいる多くの要人達が、そんな強力な戦士達を仲間にするチャンスを望んでいると私は確信している。そんな強力な力を味方に付けた時の無限の可能性を考えてみるがいい!」

ラッツェンバーグ「すまない。まだ話が見えないのだが」

ラザラス「今に分かる」

彼等が発掘現場で見たもの、それは…!


……サウンドウェーブだ!

ラザラス「神が与えた第2のチャンスだ」

ラッツェンバーグ「あ、だ、だ、誰にこ、小切手を渡せばいいのかね?」


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